やりたいこと探しの過程で身についた考え方は、人生そのものの質を上げてくれるんです

自己理解プログラムを支えるコーチは、どのように日々を過ごしているのだろうか? また、どんなマインドの必要な仕事なのだろうか。現役自己理解コーチの一日を追いながら、フレキシブルな働き方や仕事のやりがいなどに迫る。

オンの一日

10:00~ コーチングの内容を整理、LINE返信

まずは、前日のコーチングでお話した内容を振り返って整理していきます。クライアントには思いつくまま自由にお話いただきたいため、出てきたものを分析してまとめるのはコーチの役目。その方なりのキーワードを活かしつつ、ニュアンスが曖昧な部分を別の言葉に言い換えてみたり、似た内容をジャンルごとに分類したりして、要点を言語化していきます。そういう作業が得意で、クライアントと話しながらどんどん議事録をまとめていくコーチもいるけれど、私はまだまだ時間がかかるので、あとからじっくり取り組むタイプです。
また、クライアントとLINEでやりとりするのも大切な業務のうち。いただいた質問に答えるのはもちろん、提出されたシートのフィードバックなども送ります。厳しいことを言わなければいけないときには、絵文字などで明るい印象を添えながら。「失敗じゃなくて、前進してる途中なんです」といった前向きな言葉も、まめに伝えるようにしています。

12:00~ お昼・休憩

自己理解コーチは、仕事とプライベートをシームレスに行き来できる仕事。とくに時間の使い方は、かなり自由です。クライアントのご都合に寄り添いつつも、自分の生活スタイルや外出の予定、家族と過ごす時間などを組み込みながら、柔軟にスケジュールを設定できます。
勤務日でも、空いた時間があればヨガに行ったり、実家で親といっしょに食事をしたり。祖父母も近くに住んでいるため、犬の散歩や家事のお手伝いをしに行くこともあります。ふつうに出社して働いていたときより、プライベートもずっと充実しているんです。

15:00~ 週報ミーティング

週一回、4~5人のコーチたちとチームで週報ミーティングを実施します。クライアントのワークの進捗を報告しあい、プログラムやWebサイトの更新情報を共有。日々のコーチングやクライアントの満足度調査などに基づいて、よりよいサポートをしていくためにはどうすればいいか、スキルシェアする場です。
採用時にはみっちり半年間の研修を受けているものの、対人で絶対の正解がないお仕事だからこそ、考えすぎて行き詰まってしまうことも少なくありません。そんなとき、解決方法を一緒に考えてくれる仲間がいるのは心強いですね。以前、クライアントの課題を自分ごとのように背負い込みすぎていたときも、同僚からの声かけで視野が広がり、フラットに向き合えるようになりました。

18:00~ コーチング

夕方以降は、クライアントのオンラインコーチング。提出していただいたワークシートには事前に目を通し、こちらからどんな質問を投げかけるか検討します。クライアントの書いた内容を、対話によって深堀し、思考を広げていく。そのためには、信頼関係を構築することがとても大切です。「コーチになら何を言っても大丈夫」と感じてもらわなければ、人生や価値観などの深い話はできません。相手が少しでも疑問を抱いていたり、思考や言語化がうまくできなかったりする部分があれば、丁寧に解きほぐしていきます。
自分のさまざまな部分を見つめ、ワークシートを埋めていくなかで「自分にはいいところがない」「書くことがない」なんて言う方もいらっしゃるけれど……コーチングでこつこつ自己理解を深めていけば、その方だけの良さが絶対に見えてくるんです。
夜の時間帯にコーチングが入っていないときは、この時間を家事や趣味にあてたりすることもあります。勤務時間が決められていないからこそ、融通がきくんです。

オフの一日

あらかじめ予定しておけば、まとまった休みをとるのも問題なし。混雑するタイミングを避けて、夫と旅行に行ったりもできるのがうれしいところです。居住地を長く離れたとしても、パソコンさえあればいつでもどこでも働けるため、ワーケーションなどにも向く仕事だと思います。休日にコーチングをしたときには平日に代休するなど、自分の都合に合わせて休めるスタイルも便利です。

最近はもっとスキルを深めたくて、心理学やコーチングの講座にも通いはじめました。自分自身がコーチングを受けてみると、また違った視点が生まれて、勉強になるんですよね。仕事を通じて自分自身の「自己理解」も積み重ねられているようで、本当に公私混同だなって思います。

Q&A

Q1. 自己理解コーチになったきっかけは何ですか?

一受講生として自己理解プログラムに参加したことです。もともと人が内面を語っているようなブログやエッセイが好きで、哲学や思想などの学問にも興味があり、自分への理解を深めていけるプログラムに感動しました。自分もぜひ一緒に広めていきたいと思い、のちのちコーチの募集がかかったときに手を挙げたんです。前職はWebディレクターで畑違いではあるけれど、多くの人とコミュニケーションをとり、率直な意見をかわしながら良いゴールを探していく作業は、少し似ているところもある気がしています。
自己理解コーチとして働くことは、単純に「自己理解」というものに接する時間を増やすこと。人に向き合った結果として、自分自身の自己理解も深まっていくのが非常に面白いところです。

Q2. 自己理解コーチのやりがいは何ですか?

プログラムで得た学びを、クライアントが日常生活に活かしてくれていると、とてもうれしいです。「楽しいことに出会って心が弾んだとき、ワークで導き出した自分の『大事なこと』にマッチしていると気づいた」「仕事でイライラすることがあったけど、自分の失敗パターンがわかっていたから、以降は同じケースを避けられた」など、いろんな報告が聞こえてきます。プログラムではわかりやすいゴールとして「本当にやりたいことを見つける」を掲げているし、やりたいことを見つけるのはすばらしいこと。でも、そこに至るまでの過程で身についた考え方は、やりたいことへの取り組みにとどまらず、人生そのものの質を上げてくれるんです。だから、クライアントが本気で自分の内面に向き合い、そのあとの人生を楽しく生きられるように変わっていくことが、私のやりがいだと感じています。

Q3. 自己理解プログラムの魅力を教えてください。

“自分自身への解像度”が上がることです。自分の「うれしい・楽しい」「いやだ・つらい」を理解するだけでも、よりよい行動を意識的に選べるから、心地よい時間が増やせるんですよね。たとえば私自身、猪突猛進するかと思えば考え込んで動けないこともある、支離滅裂なタイプでした。いま考えるとそういう行動はすべて、自分の強みを活かせていなかったからだと感じます。でも、自己理解を深めたことで、行動を起こす前に「これは私の負けパターンだ」「強みを活かせるのはこっちの行動じゃないか?」と認知できるようになったため、ぐっと生きやすくなりました。もちろんそうした仮説だけでは避けられないこともあるけれど、失敗してしまったときにも、自分に合うリカバリーの案が出やすい気がしますね。

Q4. 株式会社ジコリカイは、どんな空気ですか?

お互いを尊重しながらどんどん前に進もうとする、いい空気の会社です。代表の八木が丁寧に練り上げてきた自己理解プログラムに対しても、意見を出すのは自由。現場で感じた「この質問はなくてもいいかもしれません」なんて細かな提案にも、チームがきちんと耳を傾けてくれるから、ブラッシュアップを重ねることができています。 それから、コーチ同士のつながりが強いのもいいところです。同期のコーチ3人では、隔週でオンライン懇談会をしています。クライアントと向き合ううえで悩んでいることはもちろん、近ごろハマっている趣味やおいしかった食べ物など、思いきりプライベートな話もするんです。大好きなブラジリアン柔術の話ばっかりする人もいます(笑)。こんなふうにリラックスして話せる同僚に出会えたことも、自己理解コーチになってよかったポイントのひとつですね。

Q5. これから、どんなコーチを目指していきますか?

目の前のクライアントを丁寧に見て、しっかり寄り添ったサポートをしていきたいです。そのために、自己理解プログラムの要素をあらためて勉強したいと思っています。私はとくに「自己肯定感」「自己基盤」といったジャンルに興味があるので、専門書を読んだり、一般的なコーチングのスキルを深めたりしていけたらいいですね。
ワークをしていて、自己否定が強くなりがちなクライアントは少なくありません。同じことを達成していても、自分を「よくやった」と思えるか、「まだまだダメだ」と思ってしまうかで、全然違う。そこでクライアントが自分を肯定してあげられるように、うまくケアができたら……「私ならではのサポート」が、もっと実現するような気がしているんです。

答えてくれた人